二世帯住宅で一番注意が必要なのは、子世代も親世代もストレスを溜めないように間取りを考えることです。互いのプライバシーが確保できないと、ストレスが溜まります。プライベート空間である寝室は、家族といっても距離をあけた間取りを心がけると落ち着きます。 ストレスが溜まるのは、プライバシーが確保されないことだけが原因ではありません。親世代の空間には、独立した子供たちが行き交いします。二世帯住宅をつくる子世代が互いに一人っ子だった場合を除き、それ以外の兄弟姉妹のことも考える必要があります。 親世代が自分たちの部屋に独立していった子供たちの物をそのままにしておくのは、ごく普通のことです。独立した子供たちが帰省した際、自分たちの物がそのままにしてあれば気持ちがほぐれます。しかし、二世帯住宅に住む子世代が、それらの品物を見て「我が家は物置きじゃない」と密かにイライラすることも珍しくありません。玄関のみ共有している注文住宅でも、そうしたイライラを抱える子世代の女性はいます。 晩婚化や未婚化が進んでいる今日、実家から出ずにそのまま親と同居する人も増えています。注文住宅を作る際、結婚していない兄弟姉妹がそのまま一緒に暮らすのかどうかは、事前にきちんと話し合っておくことが大切です。兄弟姉妹の使うスペースを親世代の家のどこに設置するのかは、間取りを決める際、しっかり考えておきましょう。 親世代の家で配慮したいのがバリアフリー対応です。今は元気でも、高齢になるとちょっとした怪我が車椅子生活の引き金になります。トイレや浴室は、車椅子生活になると介助が必要になるスペースです。注文住宅をつくる際にバリアフリーにしておくことが、将来の安心につながります。 経済的な負担も事前にしっかりと話し合っておきましょう。建築費や住宅ローンはもちろん、光熱費の分担なども親世代と子世代がどれくらいずつ分担するのかをきちんと話し合っておくことが大切です。いずれかに負担が偏っていると、人間関係がギクシャクするもとです。 |