65歳を過ぎた父が大病で足に障害ができたことを機に、離れて暮らしていた親との同居を考えるようになりました。 当時の仕事に一区切りがつき、転職を考えていたのも理由の一つです。そんなときに子供が出来、子育ては自然の豊かな所でのびのび育てたいという気持ちも生まれました。父は足が不自由になったとはいえ、食事や排便を自分一人でできる状態だったので、今すぐ介護を心配する必要はなかったのですが、将来を見据えて介護にも対応できることが家づくりのテーマの一つになりました。 田舎での子育てと将来の介護を考えていることに妻を賛成してくれたのですが、都会生まれ都会育ちの妻のことを考えると、義理の親との同居は無理が生じるかもしれないと思い、二世帯住宅を建てることにしました。目的が子育てと介護だったので、平屋の二世帯住宅がベストだと思いました。 家全体を見渡せ、音も響きやすいので、子供がどこで遊んでいるか、親は転んでいないかも即座に把握できるからです。階段がないうえ、バリアフリーにすれば、足の不自由な父も転びにくく、移動の負担も少なくてすみ、子育ても楽になります。地元工務店に足を運び、子育てと介護のための平屋の二世帯住宅を建てたいと相談しました。 2つの目的に沿う提案を次々に出してくれ信頼感を持ったその工務店に注文住宅を頼むことにしました。将来のリフォームのことも考え、間取りはシンプルで天井は高く、バリアフリーの廊下には手すりが端から端までついている私たちの家ができました。 父は毎日手すりで屈伸をしてリハビリをしています。 ただ手すりを作ったことで、廊下の幅が思ったより狭くなり、子供たちが走り回るのと妻の生活動線が絡まり渋滞することがたびたびです。 また平屋は水回りの音が良く響くので親族が泊まりにくるたびにトイレやお風呂の音が迷惑になっていないか気になることがあります。こういった点が平屋の注文住宅で失敗したところですが、将来親の介護が必要になったとき、自分たち夫婦も高齢になったときのことを考えると平屋で良かったと思っています。 |